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「天かける詩人」サンテグジュペリ [おすすめの本]

 【次代への名言】6月29日 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ

「心だけが、正しくものを見ることができるのさ。本当に大切なものは目には見えないんだよ」(『星の王子さま』 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ)  きょうは、人種や老若男女を問わず、世界で幅広く愛読されている作家、サンテグジュペリの誕生日。彼は、1900(明治33)年、フランス中東部リヨンの伯爵家に産声をあげた。  「天翔る詩人」とでもいうべきだろうか。「心の奥で、人知れぬ友情に結ばれていた」という人間群像を描いた『夜間飛行』(引用は新潮文庫から)。「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創(つく)られる」という印象的な一文で結ばれる回想録『人間の土地』(同)。彼の作品は多く、もう一つの本職であった航空パイロットの視点から、愛と冒険、生と死がつづられている。



引用記事全文
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090629/acd0906290326001-n1.htm

鳥の眼、虫の眼、ということがある。

 司馬遼太郎の俯瞰の眼と、松本清張の地を這う点眼の眼である。サンテグジュペリはまさに大空から俯瞰の眼で、星を、地球を、そして人間を見つめた作家であった。

 第二次大戦中、自ら志願兵となったサンテグジュペリに対し、敵味方を超えて彼のメッセージに対する共感が集まった。出来れば、彼とは戦いたくない、というドイツ人兵士が多かったという。

 箱根、仙石原に「星の王子さまミュージアム」がある。

 夜間飛行、人間の土地、星の王子さま等の名作を残したアントワーヌ・ド・サンテグジュペリは、フランス人が最も尊敬する作家だという。

  星の王子さま/サンテグジュペリは、第二次大戦中、郵便偵察機のパイロットとして祖国への献身的な任務を担っていた。

  彼は1943年5月、愛する妻、コンセーロのもとを去り、偵察飛行のため、ドイツ最前線へ飛び立った。

 「一人の人間として存在するために、任務を引き受けねばならない。

 僕は戦争に行く。僕は死ぬために出発するのではない。 平和や、僕が愛するもののために銃弾を浴びに行く。 誠実、純真、忠実、心のこもった仕事を守るために」

 1944年7月、偵察飛行へ飛び立ったまま彼はふたたび帰還することはなかった。

 愛するもの、仕事、国家、彼が命を懸けて守ろうとした崇高な精神に万感の想いである。

 「南方郵便機」の中で、大空からジュヌヴィエーヴにあてた叙事詩「ぼくは泉を見つけ出した。おぼえているかい?それはジュヌヴィエーヴだ」は読む者の胸を打つ。

 命と引き換えに 愛するものたちを守ろうとした献身と犠牲の精神は、時代を越えて、今も生き続けている筈である。  


 以下、Wikipediaより、彼の最後の出撃と撃墜の様子である。 

 『1944年7月31日、フランス内陸部グルノーブル・シャンベリー・アヌシーを写真偵察のため、単座双発双胴のロッキード F-5B(戦闘機 P-38 ライトニングの偵察機型) を駆ってボルゴ飛行場から単機で出撃、消息を絶った。最終階級は少佐。

 サン=テグジュペリの未帰還・行方不明の報は、無線を傍受していたと思われるドイツ空軍にも伝わり、彼らも独自に捜索を開始した。サン=テグジュペリの存在は、国境・民族を越えて、空に憧れを抱く当時の若者にとって、それほどまでにかけがえのないものだった。

 2008年3月15日付La Provence(電子版)に、当時Bf109戦闘機のパイロットだった、ホルスト・リッパート曹長がサン=テグジュペリの偵察機を撃墜したとする証言が公開された。彼自身もサン=テグジュペリ作品の愛読者だといい「長い間、あの操縦士が彼では無い事を願い続けた。彼だと知っていたら撃たなかった」と話していた』

 人を動かすものは、正義や力ではないかも知れない。限りない人間への共感が人を動かすのであろうか。





小さな王子さま
小さな王子さまAntoine de Saint‐Exup´ery 山崎 庸一郎

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人間の土地 (新潮文庫)堀口 大学

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stars死は生を際だたせる光だ
stars空へのあこがれ
stars人類の皆様へ
stars「人間の土地」の意味
stars時代を超えて勇気をくれる、サンテグジュペリの代表的名著

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夜間飛行 (サン=テグジュペリ・コレクション)
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南方郵便機 (サン=テグジュペリ・コレクション)Antoine de Saint‐Exup´ery 山崎 庸一郎

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釣忍 [おすすめの本]


 釣忍

 「江戸、長屋の 軒先に下がっている釣忍、、、、

 「釣忍、まだ捨てねえんだな、枯れちまったものに芽が
 出るかよ」 定次郎が言った。

 「あらまだ、芽が出そうなのよ」   おはんが答えた。

 日本橋の呉服問屋、越前屋の二男である定次郎が、道楽
が過ぎて、勘当され家を出て、門前仲町の芸妓、おはんを
見染め、ここ小石川に世帯をもった時に買った釣忍である。

 赤羽橋の魚屋の倅だと言って、おはんと暮らし始めて二年
になる。

 きっぱり道楽から足を洗い、おはんとつつましやかに暮らし
ていた。

 そこへ、腹違いの兄の佐太郎が訪ねてきて、母の意向で
勘当を解くので、家に帰り、越前屋を継いで欲しい、と言って
くるが、定次郎は、家を継ぐのはどこでも兄貴、総領に決まっ
ているからと断る。

 定次郎は、家を継げば、兄貴を追い出してあととりに座り
こみ、財産を横取りした、と世間に言はれる。

 おはんとの暮らしも捨てねばならない。

 結局、定次郎は、親類縁者一同が集まった復帰の祝宴の
席で、酒に酔ったふりをして大暴れ、一代狂言を繰り広げ、
再び勘当の身となる。

 「おはん、うちへけえるんだ」  定次郎が言った。

 「帰るんですって」        おはんが言った。

 「おはん」、、、、 と定次郎が呼びとめた、、、、

 釣忍に芽が出ていたな、と言おうとしたのだ。

 「済まねえ」と彼はかすかに口の中で呟いた、「おっ母さん、
あにき、、、、、堪忍してくれ」

  定次郎の、佐太郎にも、おはんに対しても、人知れず筋を
通す熱き人間味が胸を打つ。

 山本周五郎、見事な短編である。この短編の世界は、やが
て、あの長編「樅の木は残った」の世界へと投影されて行く
ように思えてならない。

 伊達藩60万石のお家騒動、藩を救うために、逆臣の汚名を
かぶり、狂言乱心を装い、死んでゆく家老、原田甲斐 の生き様
の中に、「真の大人の男」を見る思いがする。

 
 あすすめの本(釣忍、他、池波、松本、平岩、宮部の短編
 4編)

親不孝長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫 い 16-96)
親不孝長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫 い 16-96)縄田 一男

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star市井ものの時代小説の粒ぞろいの短篇選集

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樅ノ木は残った (上) (新潮文庫)
樅ノ木は残った (上) (新潮文庫)山本 周五郎

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樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)
樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)山本 周五郎

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starsおみや さんがお幸せでありますように
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starsさすが山本周五郎。
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樅ノ木は残った (下) (新潮文庫)
樅ノ木は残った (下) (新潮文庫)山本 周五郎

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starsそして、樅の木は残った・・・
stars一人で生きるという難しさ
starsこれぞ漢(おとこ)の道だ!
stars柿崎六郎兵衛の人生

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祇園の教訓 [おすすめの本]

 タイトルは、芸妓、岩崎峰子さんが書いた、世界的ベスト
セラーである。

 2002年、アメリカで」出版され、世界25カ国で翻訳された。

 サブタイトルに、昇る人、昇り切らずに終わる人、とある。

 祇園甲部の芸妓置屋「岩崎」の女将に、4歳のときに見初
められ、十歳で岩崎の跡取りに迎えられたという。

 4歳の娘を見初めた、この女将の慧眼にも感嘆する。

 峰子さんは「一生懸命な人には自然に応援団がつきます」
という。

 『私たちがお客様にお目にかかって、「この人、これから偉ぉ
ならはんにゃわ。絶対やし」という予想はだいたい当たります。

 これには、一種の勘のようなものが働きます。今思い返して
みると、その方々には共通点があることに気づきました。

 昇っていく人の共通点。それは一生懸命なこと、好奇心が
あること、何にでも興味を持っていること、自分を内観できる
人、生活に美意識を持っていることです。

 静かに座っていても、それぞれの方が独特の存在感を感じ
させましたし、人間として非常に魅力的でした。仕事のほかに
趣味をお持ちの方は、若くてもお話しに深みがあって、私たち
も勉強になりました。

 でも基本的に「何にでも、一生懸命な人やなぁということが
伝わる方は「うちらも応援しょ」と思わせる何かがあるのです』

 以上『』内、本文より引用。

 「謙虚でもの静かな、京セラ、稲森和夫さん、豪放磊落な、
ホンダ技研、本田宗一郎さん」についての人間観察は鋭い。
  
  悲しいかな、われわれ俗人、凡人には、「この何か」などと
はまるで縁がない。男であるからには、祇園で優雅にもてなし
を受けるくらいの甲斐性を身につけたいものだ。

 一流になる人間の資質、品性はもって生まれたものなのか、
それとも努力、研鑽の賜物なのか、おそらくその融和なのかも
しれない。

 これを見抜く峰子さんの感性にも感嘆する。峰子さんのプロ
としての仕事術は「いつも笑顔で堂々としていること」「誇りを
持て、そして潔く(いさぎよく)」であるという。

 お座敷のお客様は、ほとんどが男子であろう。いつか大成
するであろう男子と対等に渡り合い、もてなすのは、並みの
度量では出来ぬ事でもあろうか。

 人の道に反するような、不本意なお客様のお座敷は、きっぱり
断ったお座敷もある。

 時として、男まさりのいさぎよさと、筋を通す仁義もわきまえ
ねばならない、と言う。

 


祇園の教訓―昇る人、昇りきらずに終わる人 (だいわ文庫 D 80-1)
祇園の教訓―昇る人、昇りきらずに終わる人 (だいわ文庫 D 80-1)岩崎 峰子

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