山岡鉄舟、至誠の大器

　「至誠」は、安部官房長官の座右の銘である。


　「人は至誠をもって万機に接すれば天下に敵はない」百年も前の時代に、山岡鉄舟が残した時代への警鐘である。


　「命もいらぬ、名もいらぬ、金もいらぬ人は始末に困るものです。しかし、この始末に困る人でなければ、ともに天下の大事を語るわけには参りませぬ」

　「西郷南洲遺訓」で、人間の器の大きさに、西郷が感服した山岡鉄舟である。


　時代が変わっても、変わらぬものがある。失ってはならないものがある。人間の性根の部分を形成するもの、信義、礼儀、至誠であろうか。


　明治維新、江戸無血開城の原動力となった山岡鉄舟は、無刀流の開祖であった。


　鉄舟は、剣と禅の道を極め、「すべてが心によって決まる。心がすべてだ。心のほかに何もない。もちろん心のほかに刀があるというものではない。　だから拙者の剣道を「無刀流」と名づけたのだ」という。


　SBIの北尾吉孝氏が師とする安岡正篤氏も、本物の大器と評した鉄舟である。


参考図書

山岡鉄舟に学ぶ人間の器―敵も味方も惚れ込む人望力
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