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心の闇を超える! [社会]

 良寛和尚の詩、「半夜」の一節 

 「首を回らす  五十有余年

 人間の是非 夢の中」

 良寛さんは、五十有余年の人生を振り返り、人間社会の、是非、善悪の尺度は実にいいかげんである、と言う。

 マイケル・サンデル氏も、正義の多様性を指摘する。しかし、不動の尺度というものがある。1センチの長さは世界のどこへ行っても変わらない。これをあえて変えようとするところに紛争が起こる。

 人間や人間社会の根底にあるもの、倫理観やモラルは世界のどこへ行っても変わらぬ筈である。共同体社会の連帯はこれを拠りどころとしている。

 危機のさなかにあっても、揺るがぬ不動の意思決定を可能にするのは、ここ一番、やはり肚の座った人間力、理を突き抜ける総合力であろうか。

 ここで、大局的見地から、大人の人間として持つべきものが、「知力、見識、胆力」だという。

 人間、ものを持つと心のどこかに闇が生ずる。ものへのこだわり、執着心に振り回され、自己を見失う。特に権力や金銭欲等は、無私無欲の対極にある。人の常、ここに人間の弱さがある。
 
 背負うものの大きさに幻惑され、問題解決のための、平常心、自然体を忘れてしまう。一瞬の心のスキが生じる。

 剣や禅の厳しい修行の末、見極める不動心は、並の人間が極めるのは至難の業であろう。

 公人として失格であった。猪瀬都知事が迷い込んだ心の闇だ。非を認め、潔く身を引き、「一作家として東京都に恩返しをしたい」と言う。

 猪瀬氏在任中、チーム日本を立ち上げ、オリンピックの招致成功や、彼が主導した「ツイッターが救った気仙沼中央公民館の400人、奇跡の救出劇」があった。 せめてもの救いであったかも知れない。


 前記事があります。よろしければどうぞ。

  天は不条理ではない(奇跡の救出劇)


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