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出口なきシリア危機 [国際]



 シリア緊急募金
 http://www.unicef.or.jp/kinkyu/syria/index.html

 アフリカ大陸は、19世紀より大国の植民地化とその後の独立で、スーダンは100年余、シリアは30年余、紛争と内戦に明け暮れている。

 シリア内戦で、支援を必要とする子どもたちは400万人、難民は100万人、失われた命は10万人と言われる。

 紛争を戦う武器は、大国または、その他武器商人より流入する。代理戦争と言われる所以である。

 イラク、アフガン等、大国は正義の名のもとに介入したが、いまだ紛争は解決されていない。テロの鎮圧の筈が未だテロの連鎖を呼ぶ。

 シリアへの米国攻撃は国際世論の容認を受けられていない。

  曽野綾子氏は「米国のシリア攻撃」について言う。

 『アラブやアフリカは、独自の戦い方で歴史を生き抜いてきた。たとえ彼らが何百年抗争を続けようと他国が武力で関与してはならない。

 他国が関与すれば「外国人が我々の聖なる土地に踏み込んで荒らした」と数百年も言い続けるのだ。

 その恨みを持ち続けるのが、放牧民の掟であり、強固な伝統であり、道徳なのである。

 「アラブは帰ってくる」とアラブの格言は言う。一度襲われたらいつか必ず復讐を遂げるというのだ。』

 
 曽野綾子氏は、数十年に渡り、現地に向かい、アフリカの僻地の貧困に携わってきた。アラブの心や大義を身をもって体感している筈である。


 日英首脳、電話協議 シリア人道支援で協力確認
 引用記事全文
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130905/plc13090501340003-n1.htm


 曽野綾子 米国のシリア攻撃 引用記事全文 産経新聞 9/4付


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 参考関連記事 

 曽野綾子の「透明な歳月の光」 砂漠という「神の土地」~サハラ縦断の思い出~(産経新聞1月30日)

 『10人の日揮の社員らが犠牲になったアルジェリアの南東部に、私は行ったことがないのだが、たやすく想像はできる。もう30年も前の話だが、私はサハラをラリーではなく縦断したからだ。

 2台の国産の四輪駆動車で、アルジェリアの南部のレガンヌの村からサハラ砂漠に入るとき、私は話に聞いたことのある 「入水して死ぬ」人を思い出していた。自殺しようとして海に入っていく人と同じに、自動車は舗装道路を突如として離れると、ずぶずぶと砂漠の海に入っていったのだ。

 そこから1480キロ 人一人住んでいず、水一滴ない砂漠である。私たちは、道など全くない砂の海を南下して、マリのガオという村に到達しだのだが、それとほとんど同じほどの距離をほぼ東にとれば、今度の事件の現場になったイナメナスに到達するはずである。

 地図上の国境ほど、サハラでは意昧のないものはない。サハラは「そこを自己責任において行く人間なら誰でも通ったがいいさ」という顔をする。

 国境には、それを示すいかなる構造物も標識もないのだから、マリ領に入ってたっぷり100キロほど離れたテサリットという村で、私たちは初めてマリ側の入国管理官によって入国手続きをしたのだ。

 何もない空漠たる土地が砂漠だと、私たちは思いがちである。しかし砂漠とは「空っぽ」の状態を示す空間ではなく、むしろ打ち捨てられたというべき場所だ。

 それは人間か決して足を踏み入れたことのない荒涼たる広がりではなく、むしろ人間が今まで始祖となることができなかった世界なのだ、という記録を読んだこともある。

 1983年、サハラを脱けた後で、私は自著『砂漠・この神の土地』の最後に書いている。

 「一度あの厳しい砂漠の静寂に包まれ、半円の天空に散らばった星座が、ただ自分のためだけに、壮麗な天蓋を自分の頭上にかかげてくれていると感じた者は、もう二度とまともな感覚には戻れない、ということだ。

 そういう人々は、たとえ都会の喧騒の只中で人間の規約に従順に従っているように見えても、心のどこかで逃げていく場所を知ってしまっている。

 それは、その人にとってたった一人の場所、一人で生きていく場所、一人で死んでいく場所なのだ。それは神の声に満ち、人々の魂の永遠の合唱の聞こえるところであり、人間の肉体が一粒の砂に音もなく帰するところである。

 それは、この上なく透明な月光に照らされながら、この地上から永遠へと繋がっていて、もはやその繋ぎ目も明らかではないという場所である。

 私はその壮大な明晰と不透明を、ともに愛した。人間が乾いたまま受諾されることと拒絶されることをともに味わった。もうそれで言うことはない」

 彼らが眺めた砂漠の聖なる静寂と、異様な壮麗とは、そのようなものだったはずだ。』



参考図書

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