一陽来復 [社会]
一陽来復
3年余の嘘まみれ、下品な劣悪政治に幕が下りた。冬至もすぎ、新しき年に向かい春の風が漂う。ハッピーな年に向かう兆しであろうか。
先人たちは、冬至の日には、香り豊かな柚子湯に入った。香りとともに風邪予防になると聞く。池波正太郎氏が名店だと言って愛した、神田まつやでは、冬至の一週間、柚子切蕎麦を出す。しばし江戸っ子の粋と品格を楽しみたいものだ。
先生は、この店の「酒もみの太打ち」を特別注文していたらしい。絶品だという。この界隈、神田連雀町一角は先の大戦でも焼けずに残った。藪、ぼたん、伊勢源、竹むら等々、軒並み老舗が並ぶ。
少し先には、夏目漱石が好んで食べたという「洋食のかきあげ」を出す松栄亭がある。「食卓の情景」に登場する先生ゆかりの店である。
余談になるが、終戦後間もなく、この界隈の靖国通りの須田町から小川町にかけて、進駐軍の放出電子部品や、真空管、ラジオ等の露天商が並んだ。今の秋葉原の原型である。
ソニーは東京通信工業、パイオニアは福音電機、リオンは小林理研と名乗っていた時代であった。電子立国の幕開けでもあった。
先生の本物を見極める食通は、和食、中華のみならず、一族郎党を引き連れ、フランスまで、本場のフランス料理をも味わいに行ったという。
貧乏のどん底からのし上がり、いい仕事をするためには、人の生きざまも、食の情景も、本物を知り尽くさねばならないのであろう。研ぎ澄まされた感性が、揺るぎない軸足をもって、とびきり一級の時代小説を生み出した。
「鬼平犯科帳」、「必殺仕掛人」等、「人間はいいことも悪いこともする」という人間への温かい眼差しが変わらずに輝いていた。
「衣食足りて礼節を知る」という。季節を味わう旬の食事や洗練された遊びは、人生に間合いと豊かさと品格を与えるものなのであろう。
本物を味わえば、自然の摂理や、池波文学が垣間魅せた人間の奥深き様相が見えてくるのであろうか。
「あえて決めない」政治 五嶋清
引用記事全文
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121224/plc12122408020003-n1.htm
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