正義の選択 [政治、経済]
かって、映画「第三の男」の中で主人公ハリーがつぶやくセリフがあった。
「イタリアはボルジア統治の間、血の雨が降り続いた。しかしミケランジェロやダビンチを排出した。スイスの同胞愛、500年の民主主義と平和が生んだのは、鳩時計だ」
オーソン・ウエルズが、シニカルにつぶやく”cuckoo clock”が印象的であった。
戦後民主主義と一国平和主義にまみれ、この二年間に、生活第一を唱えた民主党政治が落とした安全保障、領土問題、エネルギー問題等国益侵害への傷跡は深い。
それでもスイスは現在の精密機械工業の礎となった鳩時計を生み出した。民主党政治が生み出したものは何一つとしてない。国益と国際信用を貶めただけだ。
それでも言い訳と屁理屈をつけて政権にしがみついている。大局を語れず、官僚主導の増税をぶち上げる。野田政権として、増税の前に向き合うべき問題を直視できないお粗末。いい加減に、学芸会ごっこは幕引きにしてほしい。
JR東海 葛西敬之氏は「東京電力のコスト上昇を抑えるには原発を使うしかないことは明白。政治がリードしなければならないのに、エネルギー問題然り、世論の顔色をうかがい決断していない。リーダーシップの欠落だ」
「経営であれば、中途半端な妥協はしない。軍事的なプロセスに似ている。経営者は全責任、全権限をもって決定し、結果が悪かったら責任を取る。一方、政治は妥協の産物になっている。誰の責任かわからない」と言う。
原発反対を唱えるなら、その先の安定的代替エネルギー政策を明確にするべきであろうか。
民主党政権は、力量不足のため、政治主導をやめ、責任分散のため、やたらと会議を立ち上げ、議事録も取らない杜撰さだ。為政者以前の心構えの問題だ。
ある局面の選択でも、大局を見抜く眼力、人間力が要求される。 戦乱より平和がいいのは当たり前の話だが、平和ボケで緊張感を欠き、国家が衰退、解体に向かっている現実を救済する真の処方箋すら気づかないお粗末。
国民が望むリーダーとしては竜馬が多い。戦乱の世の為政者たちが後世に多くの改革遺産を残したというのも皮肉である。
マイケル・サンデル 「これからの正義の話をしよう」の中に、「アフガニスタンのヤギ飼い」の話がある。善良なるヤギ飼いを殺すか、解放するか、により部隊が壊滅する話だ。
「1人殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?」、解のない大問題だ。
これは正義の問題ではなく、哲学、生き方の問題なのだろうか。
自分が生き延びるために1人を殺すのは正義ではない。ナチスのアウシュビッツ収容所で、処刑される一人の罪もなき若者のために「わたしが身代わりに」と命を捧げたコルベ神父。これは正義なのか、生き方なのか。
「正義は多様な顔を持つ」、「正義を選択、成就するために、自らを犠牲にする覚悟はあるのか」
残念ながら、野田内閣に、まず身を切る覚悟は見当たらない。自民党政治に戻してはならない、という政権の保身と責任転嫁の顔が見える。今、国家のために第一にやらねばならないことは、増税ではない。無駄をなくし、稼ぐことだ。稼ぎもせず、税を取立てる愚策しか思いつかないのだろうか。
大局はデフレ脱却、成長経済戦略を立てることだという。エネルギー供給、ものづくり、雇用等の促進整備を行うことではなかろうか。
任期まで二年ある、などと能天気なことを言い、明日を切り開く知恵も能力もなければ、政権を降りるべきだ。
戦後教育と平和ボケは、生き残る術をルールの中でしか教えてこなかった。戦乱の世のルールなきサバイバル術は、平時でも必要とされるのだ。ミケランジェロやダビンチを排出した時代の源動力を見習いたい。
混迷の時代に明日への活力を生み出す国のかたちを見せてほしい。橋下市長が魅せるのは、大阪都構想、民主党政権が魅せるべきは、創造力に満ちた国家の揺るぎなき成長グランドデザインだ
世界の国々は、それぞれ建国の歴史と国家目標と国是を持つ。
日本は、戦後教育、特に日教組と結託する民主党政権下では、国家の基軸、理念、憲法、安全保障等、国のかたちが揺らいでいる!
君が代を歌わぬ総理を祭り上げた軸足と国家スタンスがずれた民主党では、正当な揺るぎなきグランドデザインは描けないのであろう。問題の本質を見抜く力が決定的に欠如しているからだ。
とまれ、為政者たち、国民に増税の痛みを要求する前に、身ずまいを正し、自らが犠牲になり身を切るべきであろう。国を背負う覚悟が問われる。
前記事があります。よろしければどうぞ。
選択の不条理
参考記事
首相「国歌斉唱」疑惑 「促され、ようやく立った」
引用記事全文
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100823-00000094-san-pol
首相、シンガンスの釈放署名
引用記事全文
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%85%89%E6%B4%99
参考図書
何故かジャズ されどジャズ
「イタリアはボルジア統治の間、血の雨が降り続いた。しかしミケランジェロやダビンチを排出した。スイスの同胞愛、500年の民主主義と平和が生んだのは、鳩時計だ」
オーソン・ウエルズが、シニカルにつぶやく”cuckoo clock”が印象的であった。
戦後民主主義と一国平和主義にまみれ、この二年間に、生活第一を唱えた民主党政治が落とした安全保障、領土問題、エネルギー問題等国益侵害への傷跡は深い。
それでもスイスは現在の精密機械工業の礎となった鳩時計を生み出した。民主党政治が生み出したものは何一つとしてない。国益と国際信用を貶めただけだ。
それでも言い訳と屁理屈をつけて政権にしがみついている。大局を語れず、官僚主導の増税をぶち上げる。野田政権として、増税の前に向き合うべき問題を直視できないお粗末。いい加減に、学芸会ごっこは幕引きにしてほしい。
JR東海 葛西敬之氏は「東京電力のコスト上昇を抑えるには原発を使うしかないことは明白。政治がリードしなければならないのに、エネルギー問題然り、世論の顔色をうかがい決断していない。リーダーシップの欠落だ」
「経営であれば、中途半端な妥協はしない。軍事的なプロセスに似ている。経営者は全責任、全権限をもって決定し、結果が悪かったら責任を取る。一方、政治は妥協の産物になっている。誰の責任かわからない」と言う。
原発反対を唱えるなら、その先の安定的代替エネルギー政策を明確にするべきであろうか。
民主党政権は、力量不足のため、政治主導をやめ、責任分散のため、やたらと会議を立ち上げ、議事録も取らない杜撰さだ。為政者以前の心構えの問題だ。
ある局面の選択でも、大局を見抜く眼力、人間力が要求される。 戦乱より平和がいいのは当たり前の話だが、平和ボケで緊張感を欠き、国家が衰退、解体に向かっている現実を救済する真の処方箋すら気づかないお粗末。
国民が望むリーダーとしては竜馬が多い。戦乱の世の為政者たちが後世に多くの改革遺産を残したというのも皮肉である。
マイケル・サンデル 「これからの正義の話をしよう」の中に、「アフガニスタンのヤギ飼い」の話がある。善良なるヤギ飼いを殺すか、解放するか、により部隊が壊滅する話だ。
「1人殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?」、解のない大問題だ。
これは正義の問題ではなく、哲学、生き方の問題なのだろうか。
自分が生き延びるために1人を殺すのは正義ではない。ナチスのアウシュビッツ収容所で、処刑される一人の罪もなき若者のために「わたしが身代わりに」と命を捧げたコルベ神父。これは正義なのか、生き方なのか。
「正義は多様な顔を持つ」、「正義を選択、成就するために、自らを犠牲にする覚悟はあるのか」
残念ながら、野田内閣に、まず身を切る覚悟は見当たらない。自民党政治に戻してはならない、という政権の保身と責任転嫁の顔が見える。今、国家のために第一にやらねばならないことは、増税ではない。無駄をなくし、稼ぐことだ。稼ぎもせず、税を取立てる愚策しか思いつかないのだろうか。
大局はデフレ脱却、成長経済戦略を立てることだという。エネルギー供給、ものづくり、雇用等の促進整備を行うことではなかろうか。
任期まで二年ある、などと能天気なことを言い、明日を切り開く知恵も能力もなければ、政権を降りるべきだ。
戦後教育と平和ボケは、生き残る術をルールの中でしか教えてこなかった。戦乱の世のルールなきサバイバル術は、平時でも必要とされるのだ。ミケランジェロやダビンチを排出した時代の源動力を見習いたい。
混迷の時代に明日への活力を生み出す国のかたちを見せてほしい。橋下市長が魅せるのは、大阪都構想、民主党政権が魅せるべきは、創造力に満ちた国家の揺るぎなき成長グランドデザインだ
世界の国々は、それぞれ建国の歴史と国家目標と国是を持つ。
日本は、戦後教育、特に日教組と結託する民主党政権下では、国家の基軸、理念、憲法、安全保障等、国のかたちが揺らいでいる!
君が代を歌わぬ総理を祭り上げた軸足と国家スタンスがずれた民主党では、正当な揺るぎなきグランドデザインは描けないのであろう。問題の本質を見抜く力が決定的に欠如しているからだ。
とまれ、為政者たち、国民に増税の痛みを要求する前に、身ずまいを正し、自らが犠牲になり身を切るべきであろう。国を背負う覚悟が問われる。
前記事があります。よろしければどうぞ。
選択の不条理
参考記事
首相「国歌斉唱」疑惑 「促され、ようやく立った」
引用記事全文
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100823-00000094-san-pol
首相、シンガンスの釈放署名
引用記事全文
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%85%89%E6%B4%99
参考図書
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 | |
マイケル・サンデル Michael J. Sandel 鬼澤 忍 おすすめ平均 少し難解ではないでしょうか? 「力こそ正義」、この価値観に一石を投じる力作 興奮を呼び起こす良書「正義とは何か」それは功利主義のくびきから逃れられないものなのか あえてマイナス点を挙げますと ジョン・ロールズの「正義論」が図書館にない Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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