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渚の記憶 [命]

 人の遠い記憶の中には、生命が海の中で誕生した30億年の渚での生活の記憶が残っているという。

 太古の海の記憶は、月のリズムを刻む。我々は母の胎内で、十月十日羊水の中で暮らす。その生命の誕生は、満潮の時であるという。

 道元「禅」の公案に、「自分とはいったい何者なのか」がある。

 『洞山和尚が、雲居和尚に「君の名前は、何だ」と問うと、

 「ハイ、雲居です」

 洞山はまた質問した。

 「それは生まれたあとで付けられた名前だろう。私が聞いているのは、お前がまだ母の胎内で生きていたときの名前だ」

 雲居が答えた。 

 「その時、私には名前はなかった」

 洞山は言った。

 「その名前のない母の胎内の自分と同じ生命で、今日もこうして生きておられるのだぞ。名前の付いた自分も大事だ。が、名前のつかない自分は、もっと大事だ」』 『』内「道元「禅」の言葉」より引用。


 ここには、まさに命の原点があり、宇宙の根本原理、老子の言う「道」(タオ)の思想に通じるのではなかろうか。


参考図書

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コメント 11

よしあき・ギャラリー

ん~ん、
噛んで含めなくては
まだ、手遅れでないことを祈りつつ ^^;
by よしあき・ギャラリー (2009-08-05 06:07) 

chiwarin

今を生きることばかり目がいってしまいますが、命はずっと続いているんですね。過去から未来へと、命ある限り。
by chiwarin (2009-08-05 07:58) 

SilverMac

最近は、先祖が私の中で生きていることを感じます。
by SilverMac (2009-08-05 08:59) 

駅員3

「名前の付いた自分は大切だが、名前の付かない自分はもっと大切だ」非常に意味深い言葉ですね。
じっくりと、この意味を考えてみたいと思います。
by 駅員3 (2009-08-05 12:40) 

mimimomo

こんにちは^^
これは難しいですね~ 名前のなかった時の自分。
感じられません。ただ自分の持って生まれた遺伝的何かを感じる時は、先祖を感じますね~
精神的にはなかなか・・・
by mimimomo (2009-08-05 12:44) 

旅爺さん

30億年まえの細胞が一つ、私の体の中にあるのかも・・・・
by 旅爺さん (2009-08-05 13:22) 

abika

時間を広い空間のようにイメージすると、いろいろな
アングルが見えてきますね。太古の記憶、命の歴史
遺伝子の積み重ね…すべての原点でしょうか?
名前のついているものだけを見ててはいけないですね^^
もう少し、深く考えてみたいと思います。。
by abika (2009-08-05 14:24) 

yakko

こんにちは。
太古から続いている「遙かなるタオ」ですね。
今、自分の存在の意義を考えさせられます・・・
by yakko (2009-08-05 16:24) 

swm104

考えました!
勉強になります!!
by swm104 (2009-08-06 06:26) 

やまがたん

ご訪問ありがとうございます( ゚∀゚)o彡° オウエン☆オウエン☆
仕事が忙しいため訪問&オウエンのみで申し訳ありません・・・
by やまがたん (2009-08-06 06:53) 

春分

人は時間を戻ることない一筋の流れと感じますが、そうじゃないかもしれないので、そうでしたなら生まれたときにその一生は決まっていて「名前のない自分」というものはないのかも。
と考える私は悟りを開くには遠いところにいるようです。


by 春分 (2009-08-09 18:06) 

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