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勝負!この孤独なる戦い [社会]

 「江夏の21球」 山際淳司氏のノンフィクション小説とNHKの
ドキュメンタリー番組があった。

 マウンドに立つ江夏の孤独な、緊迫した21球の名勝負があった。

 囲碁、将棋は、さらに厳しい。自らの全知全能を傾け、一対一の
孤独な戦いを挑む。

 第79期棋聖位決定戦は、佐藤棋聖に、羽生王座が挑戦する
大一番である。熾烈な勝負の結果、現在は佐藤棋聖の二連勝
である。

 佐藤棋聖は言う。 

「勝ち負けだけなら、パソコンゲームでもいいのでしょうが、
人間がぶつかり合うその迫力を見ていただけたら」

 大勝負の対局室は、ピンとした空気が張りつめ近寄り
がたい緊迫感が漂うという。

 この観戦記を書いた、梅田望夫氏(米ミューズ・アソシ
エイツ社長)は、「自らの脳だけを信じ、衆人環視のなか
苦吟する両対局者の孤独な営為に深い感動を覚えた」
という。

 梅田氏は、「記録係の田嶋三段が、正味9時間以上に
及ぶ熱闘の傍らで一度も正座を崩さず、記録と秒読みの
仕事を完璧にこなして立派だった」という。

 対局の翌朝、彼の仕事ぶりを褒めた。しかし、佐藤棋聖は、

 「修業ですから」

 「あんなことも出来ないようでは、その先にプロとしてやって
行くことはできませんから。プロの仕事はもっともっと大変です
から」

 梅田氏は、「この佐藤棋聖の言葉に震えた。現代日本が忘れ
てしまった何かが、そこには凝縮されていた」からだという。

 シリコンバレーで最先端技術のIT社会に取り組む梅田氏が、
将棋の世界に見たものは、「日本文化の素晴らしき部分が深く
確かに継承されている」ことだった。

  (産経新聞一部抜粋)


 将棋の師匠は、内弟子とは将棋を指さない。 師匠が引退の
時、たった一局だけ指してもらえる。 恩返しは、もちろん師匠を
越えることであるという。


 




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タグ:将棋 勝負
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コメント 4

mimimomo

こんにちは^^
あまりそういうテレビも見たことは無いし、野球も見ないし、、、
勝負の世界は相撲ぐらいでしたが、今はその相撲も堕落しているようで面白くないです。
相撲一つをとっても、現代日本の堕落ぶりが分かりますね。
by mimimomo (2008-06-26 12:20) 

yakko

勝負の世界は分かりませんが
「囲碁」「将棋」の世界は
すさまじいものがありそうですね。
頭の中はパソコンより緻密なのでしょうか。

by yakko (2008-06-26 15:20) 

よしあき・ギャラリー

素晴らしいお話です。
五感のすべてを研ぎ澄まし、対戦相手の心を読み取る。
心技体、すべてが互角の場合、何が勝敗を左右するのでしょう。
全ては、平凡ではありますが、精進あるのみ。死ぬまで前進あるのみ。それを、修行と言っているのではないでしょうか。
そんな積み重ねが、勝負勘を自ずと養ってゆくと考えます。
実行できる人になりたいですね。
失礼、偉そうなことを言ってしまいました。
by よしあき・ギャラリー (2008-06-26 19:29) 

STEALTH

江夏の21球、何度も読みました。たしか、あのシーンをTVで見ていた記憶があります。本を読んだのは少し後。
背景にあんな心の動きがあったなんて・・・鳥肌がたった覚えがあります。
by STEALTH (2008-06-26 21:21) 

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