羽生善治三冠の見識

　超一流を極める人間は、やはり高い見識と感性を持ち合わせている。

　羽生三冠は、将棋会館への通勤に車を使用していたというが、運転中
ふと将棋が頭をよぎるという。２～３秒の間であるが、脳は将棋で占有され
運転への注意は一瞬でも途切れる。

　車は３秒でかなり走る。その間の意識の空白時間は恐ろしい。以後、彼は
車通勤をやめたという。

　この感性と直観力が一流の証拠である。

　悲しい飲酒運転による死亡事故があとを絶たない。今年９月、飲酒運転により
道路を渡っていた夫婦をはねて死傷させた元姫路市職員の公判があった。

　「３ヶ月前に結婚した私達にとって、新婚生活は夢のようだった。主人は全身で
車にぶつかり、最後まで私を守ってくれた。夫の命、私の人生を返して欲しい」

　「何のぜいたくもない、でも最高のしあわせの日々だった」　この夫婦のために
吾々は語るべき言葉もない。

　先を見通す直観力は、他者への思いやりから生まれるのかもしれない。

参考図書

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決断力
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