驚愕テロ、人質身代金犯罪ビジネス [国際]
テロ対策へ日本の心構えを問う 杏林大学名誉教授・田久保忠衛
引用記事全文
http://www.sankei.com/politics/news/150127/plt1501270004-n1.html
命は自分だけのものではない。他者に支えられ、生かされているという、大宇宙の定めである。
命が背負う任務、絆は、家族、社会、国家、世界と関わり合っている。自らが受けているさまざまな「恩恵」を忘れてはならない。
政府が渡航を禁止しているテロ地帯へ、安易に入り、「自分の責任で命を賭ける」と言ってのける。これこそ自らの命の重さと、国家や世界との関わり合いを勝手に解釈する、大いなる勘違い、身勝手さであろうか。
イスラム圏のマレーシアで、社会で暮らすためには、まず、他者の存在を容認し、受け入れることだと教える。
マレーシア社会では、自分が存在するために、他者の迷惑になる、と言うことを教える。しかし、このマレーシアにも、ジェマ・イスラミアなる、イスラム国家樹立を目論むテロ組織が存在する。
先のマレーシア機失踪事件で限りなく関与を疑われたテロ組織である。
「自らの責任で」と言うが、自らの責任のみで解決出来るものは何ひとつない。 自らが背負う任務、絆の重さには、必然的に他者が関わってくることを知るべきである。
自らの行為が、他者への貢献になるのか、迷惑になるのか、評価するのは、自分ではなく、他者なのだ。
「生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい」
「生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ」 「生命は、より)
「正しいことを言う時は
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい」 (祝婚歌、より)
吉野弘さんの詩、「生命は」、「祝婚歌」の一節である。
哀しいかな、吉野弘さんの詩の世界は、テロとは無縁の世界である。
イスラム国の残虐な人質殺害予告のテロ行為は、人質個人の生命の重さをはるかに超えて、世界を駆け巡った。日本人二人の人質が、全世界に与えた衝撃は計り知れない。
個人が、自己責任の範囲で済むと思うのは、命を超えたものの重み、或いは家族、国家、世界との絆の重さに気付いていない、と言うことだ。
人質や身代金で狙われるのは、個人ではなく、国家、世界、だと言うことを肝に銘じてほしい。
イスラム国、イスラム過激派のテロ行為に、自由世界の側の論理、良識は通用しない。有志連合の空爆でも解決しない。
国立リビア大学神学部へ留学、イスラム神学専攻で、東京財団 上席研究員、アラブの掟にも詳しい佐々木 良昭氏は、「人質身代金テロは、ビジネスであり、巧妙な取引、かけひき、ネゴが行き交うアラブの商売」だと言う。
まさに、これを商売だとするならば、我らが持つ人間性や良心は介在しない。アラブの尺度は吾々とは全く相違することになる。
イスラム国に参加する若き戦闘員たちは、社会への不満や挫折を味わった者が多いと聞く。日本から参加を試みた若者も、社会に失望し、生きる夢を失った結果だと言う。
自由世界が営々と築いてきたシステムが生み出した、格差と貧困は、このテロ行為の野蛮さ、残虐さに影を落としているのかも知れない。
とまれ、文明、宗教、内戦、部族間闘争等々を超えて、おたがいに人間に立ち帰り、人質たちが無事解放されることを祈りたい。
参考図書
何故かジャズ されどジャズ
テロに対する心構えは次元が低い。人命第一の掛け声だけでなく、この世の中には人命より大切なものがあると私は考えている。
引用記事全文
http://www.sankei.com/politics/news/150127/plt1501270004-n1.html
命は自分だけのものではない。他者に支えられ、生かされているという、大宇宙の定めである。
命が背負う任務、絆は、家族、社会、国家、世界と関わり合っている。自らが受けているさまざまな「恩恵」を忘れてはならない。
政府が渡航を禁止しているテロ地帯へ、安易に入り、「自分の責任で命を賭ける」と言ってのける。これこそ自らの命の重さと、国家や世界との関わり合いを勝手に解釈する、大いなる勘違い、身勝手さであろうか。
イスラム圏のマレーシアで、社会で暮らすためには、まず、他者の存在を容認し、受け入れることだと教える。
マレーシア社会では、自分が存在するために、他者の迷惑になる、と言うことを教える。しかし、このマレーシアにも、ジェマ・イスラミアなる、イスラム国家樹立を目論むテロ組織が存在する。
先のマレーシア機失踪事件で限りなく関与を疑われたテロ組織である。
「自らの責任で」と言うが、自らの責任のみで解決出来るものは何ひとつない。 自らが背負う任務、絆の重さには、必然的に他者が関わってくることを知るべきである。
自らの行為が、他者への貢献になるのか、迷惑になるのか、評価するのは、自分ではなく、他者なのだ。
「生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい」
「生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ」 「生命は、より)
「正しいことを言う時は
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい」 (祝婚歌、より)
吉野弘さんの詩、「生命は」、「祝婚歌」の一節である。
哀しいかな、吉野弘さんの詩の世界は、テロとは無縁の世界である。
イスラム国の残虐な人質殺害予告のテロ行為は、人質個人の生命の重さをはるかに超えて、世界を駆け巡った。日本人二人の人質が、全世界に与えた衝撃は計り知れない。
個人が、自己責任の範囲で済むと思うのは、命を超えたものの重み、或いは家族、国家、世界との絆の重さに気付いていない、と言うことだ。
人質や身代金で狙われるのは、個人ではなく、国家、世界、だと言うことを肝に銘じてほしい。
イスラム国、イスラム過激派のテロ行為に、自由世界の側の論理、良識は通用しない。有志連合の空爆でも解決しない。
国立リビア大学神学部へ留学、イスラム神学専攻で、東京財団 上席研究員、アラブの掟にも詳しい佐々木 良昭氏は、「人質身代金テロは、ビジネスであり、巧妙な取引、かけひき、ネゴが行き交うアラブの商売」だと言う。
まさに、これを商売だとするならば、我らが持つ人間性や良心は介在しない。アラブの尺度は吾々とは全く相違することになる。
イスラム国に参加する若き戦闘員たちは、社会への不満や挫折を味わった者が多いと聞く。日本から参加を試みた若者も、社会に失望し、生きる夢を失った結果だと言う。
自由世界が営々と築いてきたシステムが生み出した、格差と貧困は、このテロ行為の野蛮さ、残虐さに影を落としているのかも知れない。
とまれ、文明、宗教、内戦、部族間闘争等々を超えて、おたがいに人間に立ち帰り、人質たちが無事解放されることを祈りたい。
参考図書
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