花育、そして心守歌 再び [社会]
家庭はいつの時代も人間形成の場 日本子守唄協会理事長・西舘好子
家事を親子が伝え合い、先祖や神仏から命への畏敬や生死を学び、世代を超えて暮らし、地域と助け合いながら暮らす。そんな中に「孤立」とか「無縁」という言葉はなかったはずだ。
子を産み、家庭を作りたいという女子学生たちがキラキラ目を輝かせながら夢を持っているうちに国も子育ての教育や整備に予算を当てるべきだし、老人は生きた生活の知恵や体験を伝授すべきではないだろうか。未来のある人たちのために生きるという使命こそ老人の優しさと仕事である。
引用記事全文
http://www.sankei.com/column/news/141213/clm1412130007-n1.html
かって、中島みゆきは、自らを、子守唄(こまもり唄)の歌い手と言い、ララバイ(子守唄)の輪廻転生を唄った。
西舘好子、日本子守唄協会理事長は、「家庭はいつの時代も人間形成の場」であり、「子守唄は母親より祖母に歌われた記憶が多い」と言う。
母の背中で聞いた子守唄が、その後の子供の成長や人生を左右し、豊かな情緒を育む。
四季折々の花に触れながら、花や緑の美しさ、生命や個性の大切さについて考えてもらう「花育」活動が、全国各地で盛んに行われていると聞く。
「 花育とは、花を教材に生命や個性について、子供などに考えてもらう活動」を指し、教育的な要素を盛り込んでいる。
また花も動物などと同じように生きていることを実感してもらうことで、命の大切さも訴えたり、他人の思いを察することにもつながる体験型教育の要素も盛り込んでいるのが特徴である」 (Wikipediaより)
問題は歌う母親にある。歌うことで心が冷静になり、わが子への慈しみの気持ちがわいてくるという。その子守唄は女の専売特許、人類の発生以来、さまざまに形を変えて今に歌い継がれてきた。
五木の子守唄から、中島みゆきの心守歌まで、母の生きざまや感性を込めた子守唄は、大人になってもその深いところで波打っている。
逆境で踏ん張れる力を与えてくれるのも母の子守唄なのかもしれない。
立ち居振る舞い、話し方や言葉使いまで優雅な人がいる。男でも女でもとびきりの笑顔を持ち、どことなく品性がにじみ出る人がいる。母親のぬくもりを受け継いでいるのかもしれない。
何不自由なく育ってきたのだろうか、どことなく鷹揚な雰囲気が漂う。この人の周りに人が集まる。面倒見がいい。ガキ大将であったのだろうか。ガキ大将が将来を背負う人間に育つ確率は高い。
命の大切さを教えるには、言葉が大切で、赤ちゃんが最初に聴く母の言葉が子守唄であってほしい。
近頃の子供達の心は殺伐として、言葉をもたない。
情緒やボキャブラリーが貧弱なのだ。 「うそ、ほんと、まじ、かわいい」、このくらいの言葉で、ほとんどの会話が成立する。人間が薄っぺらになり、豊かな情緒や感性が失われてゆく。さらにひどいのは、ラ抜き言葉だ。
最近は「やばい」がまかり通る。もともと、やくざが使う隠語なのだ。 言葉の乱れは、品性が疑われる。「たしなみ」などはどこへ行ったのだろう。
母の背中で子守唄を聴きながら育った赤ちゃんは、母の手の中ですやすやと眠り、人を信じる心が養われて行くという。
花育の心と心守歌のぬくもりが、人間を信じる心と、人に尽くす心となって、「孤立」や「無縁」のない協調の社会が広がることを願う。
参考図書
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