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幻滅の先にあるもの [政治、経済]

 幻滅の先にあるもの
 
あまり人任せではいけないので、私も記事掲載前にデモの現場に行ってみた。そこで感じたことを端的に表現すれば、「幻滅」という言葉になる。私が幻滅したという意味ではなく、放射能漏れに恐れを抱き、子供のために原発がない社会をと願ってデモに参加した普通の人々が、デモという行為に「幻滅」してしまうのでは、という意味だ。

 
私が見聞したのはデモの一断面にすぎない。しかし、国会前に大勢が集まって「原発、反対」と唱えるパフォーマンスにどんな意味があるのか、そうした「無力感」を分かりやすく体験する場になってはいないか。そう感じた。それと表裏一体だが、シュプレヒコールなどでやたら元気な“プロ”が目立ち、彼らとともに脱原発の意思を示すことに、多くの人が違和感を抱いてしまうのではないか。

 引用記事全文
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/120831/trd12083107390002-n1.htm

 国会デモに集う静かな人々 
 
SNSでつながる集団の行方は労働運動系のノボリを掲げる人たちがいて、野党党首らの演説に拍手を送っている。全労連は7月29日の集会を「国会大包囲行動」と呼び、「成功に全力をあげる」と表明していて、動員された人々は、拳を振り上げてのシュプレヒコールも慣れたものだ。

 
そして目立たないが、じつは静かに群衆に身を投じている人たちが多い。仕事帰りのサラリーマンやOLたち、あるいは学生っぽい人たち。列の後方などは演説も聞こえにくいし、盛り上がりにも欠けるが、周囲の人とおしゃべりしたりしながら整然と並んでいる。時間が過ぎると、粛々と帰っていく。あとにはゴミひとつ落ちていない。

 引用記事全文
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/120807/trd12080708010002-n1.htm


 「幻滅の先にあるもの」、われわれはその先にある確たる風景を見ることは出来ない。人類滅亡の危機があるかも知れないのだ。

 福島の原発事故以来、脱原発の声が高い。安全性の確認なきまま、原発再稼働はない、というのが大勢である。

 
 ヨーロッパでは、脱原発であるが、中国をはじめとする東南アジアでは、原発推進が大勢である。日本はその推進に、成長戦略の一環として、最先端技術等で加担している。自国はダメだが、他国では構わないのか。

 いつまでも一国平和主義による身勝手は許されない。


 早急な脱原発は、経済、産業が成り立たないというが、問題は、クリーンエネルギーの反面にある、安全性、使用済み核燃料の最終処分方法の答えが出ていないことだ。

 ちなみに、Wikipediaによれば、 放射性廃棄物の貯蔵量は、 使用済み核燃料 14,870トン、、 高レベル放射性廃棄物 ガラス固化体(120リットル容器)1,614本(原研247,原燃1,367)、高レベル液体廃棄物404m3、だという。

 ガラス固体化した高レベル放射能廃棄物の無害化は、数万年から10万年に及ぶという。現在は仮置き場に貯蔵しているというが、8/29日、内閣府が発表した南海トラフ巨大地震が起きた場合、最終処分が決まらないまま、事故に巻き込まれたらどうなるのだろうか。


 Wikipediaによれば、再処理+地層処分は以下。
 
再処理してウラン235とウラン238とプルトニウムを取ったあとの高レベル放射性廃棄物をガラス固化して地上管理施設で冷却・保管し(30年-50年)、その後地層処分して数万年以上に渡り隔離・保管する方法で、日本はこの方針である。1t の使用済み核燃料から、高レベル放射性廃棄物は最終的に (30~50)kg+α まで減らせるが[要出典]、大量の低レベル放射性廃棄物が出てしまう。また、高レベル放射性廃棄物はガラス固化するものの、半減期数万年の MA と高発熱量 FP が混入しているため、冷却しながら30年、その後数万年の保管が必要になる。



 日本のみならず、世界の原発問題を解決する答えはあるのだろうか。デモの群集の中にある幻滅はどこからくるのだろうか。

 エネルギー効率や経済効率のみに特化し、高レベル放射性廃棄物の最終処理を誤り、吾々が生き延びる環境まで破壊するようであれば、やはり原発はゼロでなければならない。

 世界の原発稼働状況から見て、重大事故は修復不能の環境破壊と、地球規模の大惨事になる可能性もゼロではないであろう。

 明日のエネルギーを原子力に頼らずに生きる技術を模索せねばならない。 この対案なき不毛の反対は許されない。

 石油にしろ、原子力にしろ、エネルギーが排出するエントロピーは増大する。

 再び甦るあの悪魔の方程式、放置すれば崩壊に向かうという「エントロピー増大の法則」である。人間の生存の前に立ちはだかる難問である。

 際限のない欲望と豊かさの追求から離れて、足るを知る、循環再生の生活の中に、生き延びる知恵と答えがあるのかもしれない。





参考図書

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