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エコロジカル・フットプリント、再び  [環境]











 地球の環境保全と取組み、足るを知る暮らしを選択した賢明なる国がある。

 世界のグローバリズムと一線を画し、インドと中国に挟まれたヒマラヤの麓にチベット仏教を国教とする王国、ブータン王国である。

 昭和天皇崩御の際、大喪の礼に参列、喪に服して頂いた親日国である。

 今、この国は、国民総幸福量(GNH)という独自の国家戦略を打ち出している。

 「ブータン流国家戦略」

 1)道路と電力の開発

 2)教育、医療の無料化

 3)功利主義経済学批判

 4)グローバリズムへの警戒

 5)自己啓発と伝統文化の維持

 6)自然環境の保全

 7)足るを知る仏教経済学の尊重


  「足るを知る」、かって日本人が持っていた暮らしの知恵である。 今、日本人は、繁栄と飽食の時代にあって、かっての「小欲知足」なる暮らしを忘れた。

 「日本では
    おにぎり一つぐらいと そまつにし

  インドでは
    おにぎり一つこそと おがむ」
 
 (株)サイボク代表取締役、笹崎龍雄会長が紹介する牧師の河野進さんの「どちらか」と題する詩である。
 
 さて、どちらが幸せであろうか、と問いかける。
 
 多くのもののいのちを頂戴して生かされているので食膳に感謝の合掌は当然だという。

 「小欲知足」とは「欲を少なくして、足るを知る」という消極的生き方ではなく、「小欲知足」から「小欲満足」の気持になることができれば、迷いがなく、何事にも感謝する心が生まれる、と会長はいう。

 これこそ、人と地球の健康に相通じることではなかろうか。

 笹崎会長は90才を越えて尚矍鑠として、サイボクハムの経営と全国講演に多忙な方である。


 100年に一度の国難に立ち向かうべく、賢い民の見識と判断が問はれている。
 
 日本の深刻な原発事故から見て脱原発は道筋としては正しいが、ドイツ、イタリアの脱原発運動は、その先にある世界の潮流の全体を見ていない。

 ドイツもイタリアも、不足電力の80%は、フランスから輸入しているという。フランスの電力は原発で発電したものだ。これでは自国の都合のみつじつまを合わせるご都合主義、国家エゴイズムの極致だ。

 日本の反原発を唱える共産、社民党の理屈も全体を見ぬうわべだけの反対運動だ。原発被害の救済、安全対策、代替エネルギー等の全体を現実に解決できる反対でなければならない。

 原発停止の電力不足で、日本国内での生産活動は難しくなり、工場の海外移転が避けられないという。日本のものづくり立国が脅かされる。雇用は確実に減少する。日本経済を暗転させてはならない。

 民主党が掲げる「生活第一」、「命を守りたい」は、原発停止では遂行できない。電力不足がもたらす脱原発の先にある産業空洞化に対処し得る大きな構想図を確立させねばならない。

 脱原発の先にある大きな構想図と現実に有効な手立てを早急に確立せねばならない。 その上での脱原発である。


  WWFが発表した「生きている地球レポート」がある。

  WWFは、世界100 を超える国々で自然保護を目的に活動する世界最大の自然保護 NGO 非政府組織)。

  人間の輝かしき英知と裏腹に、あくなき欲望の果てにあるものは、地球環境の破壊である。

  その地球環境を表す指数がある。

「生きている地球指数」は、「世界の1686種の野生生物の個体数を調べて算出するもので、1970年より現在は30%低下している」という。

次の指数は、「エコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)」で、「私たちは、世界平均で、一人当たり、木材を生み出す森林や、魚介類をもたらす海洋、農場、牧草地といった、現在人類が消費している物を生み出すために必要な、生産力のある土地を2.1グローバル・ヘクタール持っている。ところが2005年のデータでは、実際には、私たちは2.7グローバル・ヘクタールものフットプリント(足跡)を記録して生活している」

「つまり、自然の再生能力を超えた消費をしていることになり、およそ地球を1.3個分必要とするような暮らしをしている」ことになるという。

「フットプリントの世界第1位はアラブ首長国連邦、米国は僅差の2位。米国市民は、一人当たり9.4グローバル・ヘクタールと、世界平均の2.7グローバル・ヘクタールを大幅に上回っています。もし、世界中の人が米国市民と同じ暮らし方をするとすれば、地球が4.5個必要になる計算です。日本は4.9グローバル・ヘクタールで、世界第22位。

このペースで世界のフットプリントが大きくなっていくと、2030年代の半ばまでには、地球を2個分必要とするようになってしまう」 

  最重要課題は、「二酸化炭素の排出量を減らすことで、再生可能クリーンエネルギー(風力や太陽光など)への移行を積極的に進め、環境破壊や消費生活の暮らし方を変えること」だという。 

 以上「」内、AFP bb news 引用。


 (本記事は2009年4月17日の記事に加筆したものです。)

 
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