アフガニスタンのヤギ飼い [社会]
正義は多様な顔を持つ。正義には常に選択の不条理が付きまとう。
批判や反論に耐えうる意見を持ちたい。自分が相手の正義を受け入れる寛大さと強さを身に着けることだ。
どんな批判にさらされようと、くじけないことだ。傲慢ではなく、真理のために立ち上がる信念が欲しい。
大戦中、レジスタンスに身を挺したパリ市民。パリの市民憲章は、”揺らげども沈まず”、であった。
映画「第三の男」の中でハリーがつぶやくセリフがある。
「イタリアはボルジア統治の間、血の雨が降り続いたが、ミケランジェロやダビンチを排出した。スイスは同胞愛、500年の民主主義と平和が生んだのは、鳩時計だ」
オーソン・ウエルズが、シニカルにつぶやく”cuckoo clock”が印象的であった。
戦乱より平和がいいのは当たり前の話だが、平和ボケで緊張感を欠き、国家が衰退、解体に向かっている現実に国民が気づかないお粗末。戦乱の世が後世に多くの遺産を残したという皮肉。
マイケル・サンデル 「これからの正義の話をしよう」の中に、「アフガニスタンのヤギ飼い」の話がある。善良なるヤギ飼いを殺すか、解放するか、により部隊が壊滅する話だ。
「1人殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?」、解のない大問題だ。
これは正義の問題ではなく、哲学、生き方の問題なのだろうか。
自分が生き延びるために1人を殺すのは正義ではない。ナチスのアウシュビッツ収容所で、処刑される一人の罪もなき若者のために「わたしが身代わりに」と命を捧げたコルベ神父。これは正義なのか、生き方なのか。
佐賀鍋島藩に、家訓の武士道心得とも言うべき「葉隠」がある。
三島由紀夫氏の生涯を支えた哲学がこの「葉隠」である。自身もそれを告白し、自決の3年前に「葉隠入門」を世に問うた。
葉隠に、「一念、一念とかさねて一生」、「意地のないもの益(やく)立たず」とある。若者たちが、一生を通じ、独立自尊の精神で、人生を切り開き、世界や社会に貢献する気概を待たないと国の明日はない、とも言う。
三島氏が、自己の命と引き換えに守ろうとしたものは、何であったのか。それこそ命がけの覚悟をもって、日本の明日に対し、「危機に向かって絶えず振り絞られた弓」、研ぎ澄まされた危機感を持ったのであろうか。
「葉隠」の有名なテーゼ、「武士道とは死ぬことと見つけたり」、を青山繁晴氏は、何かが抜け落ちていると言う。
問われているのは、主君ではなく、自分のためでもなく、自らが犠牲になっても(愛する)人のために死ぬことができるか、だと言う。
国家への軸足を問う
民主党政権に欠落するもの、国家観である。
国旗国歌法に反対し、君が代を歌わなくとも総理になれるとは、日本はおかしな国だ!
政権与党として、何をすべきか、何をせねばならないか、自らを糺てほしい。国民が選んだ政権の姿は、今の民主党の中にはない。
首相「国歌斉唱」疑惑 「促され、ようやく立った」
引用記事全文
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100823-00000094-san-pol
首相、シンガンスの釈放署名
引用記事全文
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%85%89%E6%B4%99
政治は常に、この1人か5人かの選択を迫る。時には、大局的見地から、理を超えて腹で決めねばならない時もある。 市民目線などでは大した決断はできない。 様子見と先送りと逃げ菅で何ができるのか。
軸足を日本の外に置き、国家の将来像も役割も見せず、国益より政局、財源なきばら撒き政策による財政破綻が忍び寄る。目を覚まさねばならないのは国民自身であろうか。
政治評論家、屋山太郎氏は、民主党はこの一年何もしなかった、と言った。素人集団、政権担当能力が問われる。
みんなで渡れば怖くない、「政策コンテスト」とは笑わせる。開かれた政権ではなく、定見なき自らの実力不足を認めたも同然だ。
国を守る賢い民であるために何をすべきか。日本解体左派思想や、菅談話の欺瞞を見抜く見識と、先人たちの培ってきた汗と苦闘を見据え、明日のこの国のかたちを堅持するための、犠牲や貢献をいとわぬ勇気を持ちたい。
Youtube 動画再生
Youtube 青山繁春 日本のものづくり精神と国家観を糺す。
アメリカが戦う不毛の30年テロ戦争
青山繁晴 幸福論/葉隠を語る
青山繁晴 独立総合研究所 ホームページ
前記事があります。よろしければどうぞ。
選択の不条理
参考図書
河井継ノ助 武装中立で藩を守ろうとした最後のサムライ。司馬 遼太郎が魅せる散りゆくサムライの美学。
何故かジャズ されどジャズ
批判や反論に耐えうる意見を持ちたい。自分が相手の正義を受け入れる寛大さと強さを身に着けることだ。
どんな批判にさらされようと、くじけないことだ。傲慢ではなく、真理のために立ち上がる信念が欲しい。
大戦中、レジスタンスに身を挺したパリ市民。パリの市民憲章は、”揺らげども沈まず”、であった。
映画「第三の男」の中でハリーがつぶやくセリフがある。
「イタリアはボルジア統治の間、血の雨が降り続いたが、ミケランジェロやダビンチを排出した。スイスは同胞愛、500年の民主主義と平和が生んだのは、鳩時計だ」
オーソン・ウエルズが、シニカルにつぶやく”cuckoo clock”が印象的であった。
戦乱より平和がいいのは当たり前の話だが、平和ボケで緊張感を欠き、国家が衰退、解体に向かっている現実に国民が気づかないお粗末。戦乱の世が後世に多くの遺産を残したという皮肉。
マイケル・サンデル 「これからの正義の話をしよう」の中に、「アフガニスタンのヤギ飼い」の話がある。善良なるヤギ飼いを殺すか、解放するか、により部隊が壊滅する話だ。
「1人殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?」、解のない大問題だ。
これは正義の問題ではなく、哲学、生き方の問題なのだろうか。
自分が生き延びるために1人を殺すのは正義ではない。ナチスのアウシュビッツ収容所で、処刑される一人の罪もなき若者のために「わたしが身代わりに」と命を捧げたコルベ神父。これは正義なのか、生き方なのか。
佐賀鍋島藩に、家訓の武士道心得とも言うべき「葉隠」がある。
三島由紀夫氏の生涯を支えた哲学がこの「葉隠」である。自身もそれを告白し、自決の3年前に「葉隠入門」を世に問うた。
葉隠に、「一念、一念とかさねて一生」、「意地のないもの益(やく)立たず」とある。若者たちが、一生を通じ、独立自尊の精神で、人生を切り開き、世界や社会に貢献する気概を待たないと国の明日はない、とも言う。
三島氏が、自己の命と引き換えに守ろうとしたものは、何であったのか。それこそ命がけの覚悟をもって、日本の明日に対し、「危機に向かって絶えず振り絞られた弓」、研ぎ澄まされた危機感を持ったのであろうか。
「葉隠」の有名なテーゼ、「武士道とは死ぬことと見つけたり」、を青山繁晴氏は、何かが抜け落ちていると言う。
問われているのは、主君ではなく、自分のためでもなく、自らが犠牲になっても(愛する)人のために死ぬことができるか、だと言う。
国家への軸足を問う
民主党政権に欠落するもの、国家観である。
国旗国歌法に反対し、君が代を歌わなくとも総理になれるとは、日本はおかしな国だ!
政権与党として、何をすべきか、何をせねばならないか、自らを糺てほしい。国民が選んだ政権の姿は、今の民主党の中にはない。
首相「国歌斉唱」疑惑 「促され、ようやく立った」
引用記事全文
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100823-00000094-san-pol
首相、シンガンスの釈放署名
引用記事全文
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%85%89%E6%B4%99
政治は常に、この1人か5人かの選択を迫る。時には、大局的見地から、理を超えて腹で決めねばならない時もある。 市民目線などでは大した決断はできない。 様子見と先送りと逃げ菅で何ができるのか。
軸足を日本の外に置き、国家の将来像も役割も見せず、国益より政局、財源なきばら撒き政策による財政破綻が忍び寄る。目を覚まさねばならないのは国民自身であろうか。
政治評論家、屋山太郎氏は、民主党はこの一年何もしなかった、と言った。素人集団、政権担当能力が問われる。
みんなで渡れば怖くない、「政策コンテスト」とは笑わせる。開かれた政権ではなく、定見なき自らの実力不足を認めたも同然だ。
国を守る賢い民であるために何をすべきか。日本解体左派思想や、菅談話の欺瞞を見抜く見識と、先人たちの培ってきた汗と苦闘を見据え、明日のこの国のかたちを堅持するための、犠牲や貢献をいとわぬ勇気を持ちたい。
Youtube 動画再生
Youtube 青山繁春 日本のものづくり精神と国家観を糺す。
アメリカが戦う不毛の30年テロ戦争
青山繁晴 幸福論/葉隠を語る
青山繁晴 独立総合研究所 ホームページ
いかなる組織や団体からも独立し、いかなる補助金の類も受けず、完全なる公平・客観の立場から、企業、社会、祖国、世界に寄与する調査研究を行う。この信念のもと、私たちは以下のような調査研究事業を展開しています。(以下参照) http://www.dokken.co.jp/index2.html
前記事があります。よろしければどうぞ。
選択の不条理
参考図書
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 | |
マイケル・サンデル Michael J. Sandel 鬼澤 忍 おすすめ平均 少し難解ではないでしょうか? 「力こそ正義」、この価値観に一石を投じる力作 興奮を呼び起こす良書「正義とは何か」それは功利主義のくびきから逃れられないものなのか あえてマイナス点を挙げますと ジョン・ロールズの「正義論」が図書館にない Amazonで詳しく見る by G-Tools |
若きサムライのために (文春文庫) | |
おすすめ平均 若年層の読者には 惜しい… もうひとりの三島 『三島由紀夫』という美学 三島の人間学 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
葉隠入門 (新潮文庫) | |
おすすめ平均 深い 後半の葉隠の現代語訳が重宝する 生の意義 「葉隠」から生と死を考える 「死」から覚める「生」 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
河井継ノ助 武装中立で藩を守ろうとした最後のサムライ。司馬 遼太郎が魅せる散りゆくサムライの美学。
峠 (上巻) (新潮文庫) | |
司馬 遼太郎 新潮社 2003-10 売り上げランキング : 3813 おすすめ平均 1・この男、河井継ノ助。 河井継之助の美 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
峠 (中巻) (新潮文庫) | |
司馬 遼太郎 おすすめ平均 峠をこえるために 主人公に苛々する中巻 人間のねうち 政治って・・ 混乱の中で大義名分に生きる Amazonで詳しく見る by G-Tools |
峠 (下巻) (新潮文庫) | |
司馬 遼太郎 おすすめ平均 そして、陽明学。 やっと完結、読み返してみたくなった。 政略・戦略の問題 河合継ノ助 スッキリ行かないよ、人間なんだよ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
何故かジャズ されどジャズ
アムステルダムの午後 [DVD] | |
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ エム アンド アイ カンパニー 2005-06-01 売り上げランキング : 74385 おすすめ平均 アムステルダムの午後 [DVD] 待ちに待ったDVD Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ジャパネスク~日本の詩情 | |
マーク・ヴァン・ローン ヨーロピアン・ジャズ・トリオ M&I Company,LTD.(PC)(M) 2009-05-20 売り上げランキング : 2498 おすすめ平均 日本の音楽の良さをオランダのジャズ・トリオから学んだようです 日本の懐かしい曲がお洒落なジャズになってます BGM用に最適。じっくり聴いても大丈夫。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
コメント 0
コメントの受付は締め切りました