キリマンジャロの雪、再び [環境]
アーネストヘミングウエイの短編「キリマンジャロの雪」は、冒頭の謎かけのキャッチコピーから始まる。
「この山の山頂付近の、神の祠と呼ばれる場所に一匹の豹の死骸がある。豹が何故この高所にやってきたのか誰もわからない」
人間たちが、人生の目的や理想を追い求めて彷徨う姿の象徴だともいう。この姿は崇高であった。しかし反面、人間たちのとどまるところを知らない欲望のツケによって、かって300万年の氷河期にも耐えた万年雪があと20年もすると溶けてなくなるという。
足るを知るを越えた人間の不遜さが、宇宙創造の神の怒りに触れたのだろうか。
かって、リオの環境サミットで、キューバのフィデルカストロ議長は、「消えなければいけないのは飢えであり、人類ではない。今日出来ることを明日にのばしてはならない、と糾弾し万雷の拍手を受けた。
キューバと言えば、我らがヘミングウエイが愛したハバナ、フロリディータホテルがある。
以下は、今は亡き、柳原和子さんの、「盟友キューバ」より抜粋。
「ヘミングウエイは毎日のようにやってきて、バーのカウンターの左端に座り、ラム酒のロック(ダイキリ)を飲んでいた。
彼が来ると必ず座った椅子には今も誰も座ることは許されない。その左の壁にはヘミングウエイの胸像がかかっており、「ノーベル文学賞受賞者にしてわれらの友人アーネストヘミングウエイに」
という文字盤が貼ってある」という。
いつの日か、フロリディータで、ダイキリを飲み、ヘミングウエイや、カストロ、ゲバラの偉業に、敬虔なる敬意を表してみたい、と想うのは不遜だろうか。
Youtube 動画再生 環境サミット 伝説のスピーチ
参考図書
勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪―ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫) | |
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2009-11-04 17:52
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