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国民総幸福量(GNH) [国際]


 世界は今、テロ、民族紛争の混乱のさなかにあり、環境破壊、石油、食料、水資源枯渇等、緑の大地の行く末までも全く見えてこない。

 世界のグローバリズムと一線を画し、インドと中国に挟まれたヒマラヤの麓にチベット仏教を国教とする王国、ブータン王国がある。

 昭和天皇崩御の際、大喪の礼に参列、喪に服して頂いた親日国である。

 『今、この国は、国民総幸福量(GNH)という独自の国家戦略を打ち出している。

 国民総生産(GNP)より(GNH)だという。

 「ブータン流国家戦略とは

 1)道路と電力の開発

 2)教育、医療の無料化

 3)功利主義経済学批判

 4)グローバリズムへの警戒

 5)自己啓発と伝統文化の維持

 6)自然環境の保全

 7)足るを知る仏教経済学の尊重

 などの具体的政策目標を伴う」

 人口も資源も限られた小国が物質的指標のみに依拠していれば、容易に負け組に転落する』

 (産経新聞、『』内、論説委員長、千野境子氏 記事より抜粋)

 この国の農業に、半生をかけた男がいる。

 西岡京治、ブータン国王より、高位の「ダショー」を贈られた唯一の外国人だという。

 1964年、海外技術協力事業団(現国際協力機構)の農業指導者として夫人とともに赴任。28年間、ブータンの農業開発に尽力した。

 この国古来よりの焼畑農法は、森を焼き、畑を作り、大地を転々とする繰り返しであった。

 西岡は、従来の焼畑農業から、五ケ年計画で、水路を作り、水田を作り、森を、国土を守り、村人たちを大地へ根付かせて行った。

 1992年、西岡は、帰国を前にして敗血症にかかりその生涯を閉じた。

 西岡の献身的な貢献に対し、「国の恩人」として国王より「ダショー」の称号をを贈られ、パロでの葬儀には、王族、政府要人、村人たちが、長い葬列を作り別れを惜しんだ。

 夫人の里子さんは、その日、パロ谷には丘いっぱいに桃の花が咲いていたという。、まさに西岡が夢見た日本の里山に見るような風景が根付いていたのであろう。


参考書籍

ブータンの朝日に夢をのせて―ヒマラヤの王国で真の国際協力をとげた西岡京治の物語 (くもんのノンフィクション・愛のシリーズ)
ブータンの朝日に夢をのせて―ヒマラヤの王国で真の国際協力をとげた西岡京治の物語 (くもんのノンフィクション・愛のシリーズ)木暮 正夫

くもん出版 1996-12
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