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モダンジャズが輝いていた時代 [音楽/ジャズ]

 1950年代、モダンジャズが圧倒的に輝いていた時代があった。

 日本でも、ジャズ喫茶華やかな時代で、銀座松坂屋裏のスイング、新橋のメトロノーム、京橋のユタカ、上野のイトーコーヒー、神保町の響、新宿の木馬、渋谷のデュエット、横浜野毛のちぐさ等の全盛時代であった。

 銀座スイングは、真空管アンプからの大型スピーカーでジャズをがんがん流し、横須賀基地のGI達が常連で、本場のジャズを聴いた連中の熱気が伝わった。彼らの会話から、ハンプトン・ホースが基地にいるらしいとの噂で騒然となったことがあった。


 ジャズの本場から大物プレーヤー達(マイルス、MJQ、ブルーベック、ゲッツ、エバンス、ピーターソン、ジャズメッセンジャーズ等々)が続々と来日する以前の話である。


 渋谷のデュエットでは、イソノテルオ氏の司会で、当時新進気鋭の秋吉敏子さんのピアノが聴けた。今、当時のジャズ喫茶はすべて閉店である。


 野毛のちぐさも、親父さんが亡くなり、娘さんが引き継いでいたが、去年始めここも閉店となった。


 1960年代には、村上春樹氏の「ノルウエーの森」に登場する、伝説のジャズ喫茶、DIG、DUGがオープンした。


 セレニアスモンク、チックコリア、ホレスシルバー、スタンゲッツ等が来店、プレイするなど超有名店になったと聞く。


1964年7月、第一回日米ジャズフェスティバルが新宿厚生年金ホールで開催された。

 ライシャワー駐日大使の挨拶で幕開け、遂にわれらがマイルスデイヴィス、ハービーハンコック、ウイントンケリー、カーメンマックレー等がやってきた。

 超大物、マイルスデイビスの気迫溢れるプレイとオーラには圧倒された。

 60年代後半には、本場の大物プレーヤー達が続々と来日した。MJQのミルトジャクソンは、終演後のアンコールに確か4回ほど応えた。

 ブルーベックカルテットの盲目のドラマー、ジョー・モレロの知的で繊細なドラムワークに拍手が鳴り止まなかった。

 スタンゲッツは、小柄でキュートな奥様を紹介した。

 ビルエバンスのビート溢れるプレーには、彼の沈潜的なピアノを越えた熱気がほとばしっていた。

  ジャズはコードからモード、フリージャズへと変貌していった。50年代のハードバップ全盛時のほとばしる熱気は消え、当時の大物プレーヤーたちは今はもう殆どいない。

 
 平岡正明氏の「昭和ジャズ喫茶伝説」がある。

 ジャズの時代を切り取ったようなおすすめの本である。

 「ジャズ最終章」はジャズへの鎮魂歌、「ジャズ喫茶に花束を」はジャズとジャズ喫茶への郷愁の匂いがする。 



参考図書


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YouTube 動画再生 ビルエバンス/Gloria's step/





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