したたかなる才能、運は幻想なのか [社会]
永世名人、大山康晴は升田幸三との名人戦等で
死闘を戦い抜いた、稀代の勝負師といわれた。
升田将棋の切れ味鋭どさに対し、大山将棋は
地道な、鈍、根の将棋であった。そして何より
も紙一重の大勝負を制する運を呼び込む術が
備わっていた。
自らも、よく運、鈍、根は人知れぬ努力の結果
であると言われていた。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」でも、東郷平八郎
を「運の強い男」として描いている。
リーダーは運の悪い人は向かない。運を切り拓く
才能がないと、偉大なリーダーにはなれないという。
松下幸之助氏も、人事の抜擢には、必ず運は強いか
と周囲に聞いた。運も才能のうちだという。
この大山、升田の影に消えていった数知れぬ
才能がある。
少年のころ、長嶋、王に憧れるも夢果たせず、散って
いった無数の才能もある。
勝者の条件とは一体何か。
星野ジャパンは、五輪予選、台湾戦で、見事に満塁
スクイズを決めた。
かって、悲劇の闘将と言われた西本監督は、日本シリーズ
を八回戦い、二度の満塁スクイズを決められず、敗退し、つい
に日本一の栄冠は手中にできなかったと聞く。
後年、野村監督が、何故日本一になれなかったか、を
聞いていたように思う。
精一杯の努力にもかかわらず、結果が出せないのは、
何なのか。
生まれ持った強運というものが有るのだろうか。
勝者、成功者の殆どが、運が良かっただけだという。
それでも、運は万人に公平にはやってこない。
ひとの世の不条理なのであろうか。あきらめてはいけない、
という。チャンスは万人に公平にやってくる。
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